カエンタケの中毒症状と治療法とは? 毒きのこ見分け方の嘘 [植物]
カエンタケ(火炎茸・火焔茸)とは
ニクザキン目・ニクザキン科・ニクザキン属に属する子嚢菌(しのうきん)の一種。
猛毒きのこになります。
カエンタケは初夏から秋にかけ、ブナ・ミズナラなどの広葉樹林内地上に
群生または単生しています。
大きさは中型~大型で、きのこの表層に子のう殻という胞子を作る
器官が埋没しています。
カエンタケの形は円柱形または扁平な円柱状で、上部が枝分かれしています。
大きなものは、手の指やにわとりのとさかに似た感じです。
カエンタケの表面ですが、オレンジ色を帯びた鮮やかな赤色をしています。
また、全体的に光沢があるんです。
そして、この鮮やかな赤色は、のち退色して紫色へと変わります。
内部ですが、表面の赤とは違い、白く堅くしまった肉質をしています。
食べてしまった方によると、味は苦いそうです。
(どうして、カエンタケのような見るからに毒々しいきのこを
食べてしまったのでしょうか・・)
見た目は完全に食用には見えませんが、冬虫夏草類や薬用きのこと
間違えて、お酒にひたして飲んだり、生で食べたりして死亡した悲惨な
事故が報告されています。
ちなみに、カエンタケと色も形も似ている、
ベニナギナタタケ(可食)というきのこがあります。
こちらは、肉質が柔らかいので区別がつきやすいそうでが、
見た目が似ているため、間違えて食べてしまうケースがあるようです。
では、カエンタケを誤って食べてしまったら、どのような症状が
あらわれるのでしょうか。
<カエンタケの中毒症状>
カエンタケを食べた10分~30分程で胃腸系から神経系の
症状が現れはじめます。
・悪寒
・腹痛
・手足のしびれ
・嘔吐
・下痢
・のどの渇き
その後、
・腎不全
・肝不全
・呼吸器不全
・循環器不全
・脳障害
などの全身に症状が現れ、致死率も高くなります。
また、このきのこで特徴的なのは、顔面脱皮、粘膜びらん、
脱毛といった表に出てくる症状です。
カエンタケは毒成分の皮膚刺激性が高いので、
汁を皮膚につけないようにしてください!
回復しても、小脳の萎縮、言語障害、運動障害、
あるいは脱毛や皮膚の剥落などの後遺症が残ることもあるようです。
きのこ中毒は、症状が現れるまでの経過時間が問題になります。
一時間以内の発症なら、ダメージは受けるものの、
すぐに手当てをすれば回復は早いです。
しかし、致命的なものほど時間がかかります。
6~10時間経ってからの発症は、毒成分が消化吸収され、
循環器系が侵されるので、死に至る深刻な事態にもなります。
もし、誤って食べてしまい、中毒の症状が出たら、
直ちに病院へ行きましょう。
きのこ中毒だということを、詳しく救急救命士や医者に説明することも大切です。
できれば、食べたきのこを見せた方がよいでしょう。
そして、胃・小腸洗浄、胆汁吸引などの適切な処置を敏速に、
行わなければなりません。
<毒きのこの見分け方の嘘>
古くから言われている「毒きのこの見分け方」には、誤りが多いそう。
ほとんどが、まったく根拠のない迷信なんです。
素人が、毒きのこを簡単に見分ける方法などありません。
一つ一つ、確実に覚えていくしかないんです。
きのこ狩りにいった際は、正体のわからないきのこを見つけたら、
自分勝手な判断で食べないで下さい。
完璧に見分けられるようになるまでは、必ず詳しい方に
見てもらいましょう。
下記は、毒きのこを見分ける嘘になります。
~色が地味なきのこは食べられる~
嘘です。ほとんどの毒きのこは、地味な色をしています。
反対に派手な毒きのこはベニテングタケとカエンタケくらいです。
~縦に裂けるきのこは食べられる~
まったく根拠のない迷信です。
ほとんどの毒きのこは縦に裂けます。
逆に食べられるきのこでも、縦に裂けないものもあります。
~香りの良いきのこは食べられる~
これも嘘です。
香りの良し悪しと毒性の有無はまったくの無関係です。
~ナスと一緒に調理すれば食べられる~
まったくのでたらめです。
一体、誰発信なのかと驚きましたが、昔から言われていることなんですね。
ナスと調理しても毒性は消えません。
~虫が付いていれば食べられる~
昆虫類が大丈夫なら人間も大丈夫!という安易な発想です。
これも嘘になります。
昆虫類に毒性が効かないだけで、人間には作用するものがほとんどです。
~茹でたり塩漬けにすれば食べられる~
多くの毒きのこの毒は、茹でても塩漬けにしても無くなる事はありません。
(塩蔵で毒抜きできるものも、わずかですがあるようです)
~煮汁に銀のスプーンを入れて変色しなければ食べられる~
この方法は、ヨーロッパで言い伝えられている方法です。
これも根拠はありません。
美味しそうに見えても毒があったり、見た目で毒きのこだと思っても
実は食べられたり・・、その判断は、素人目ではなかなか難しいようです。
とにかく、中毒症状が現れたら、病院で適切な処置をしてもらうことが
肝心です。
それと並行して行うといい応急処置は以下になります。
・ぬるま湯を大量に飲んでから、、指をのどの奥に突っ込んで
食べたきのこを吐く。
・木炭を細かくすりつぶした粉末を、水と一緒に飲む。
(炭の粉末は、胃腸内にある毒を吸着し、体内への毒の吸収を減らす
働きがあります)
・水分をたくさんとり利尿作用を促す。
(薄めた緑茶、スイカなど)
・嘔吐や下痢が激しい時は、脱水症状を起こさないように気をつける。
(スポーツ飲料、イオン飲料を飲む)
・体温を一定に保つようにする。
特にお腹を冷やさないように注意してください。
きのこ狩りを行う際は、必ず、きのこに詳しい方と
行動をともにすることをおすすめします。
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